Mirai Career Labo

未来志向のキャリアデザイン

感染症と仕事について考えた

 新型コロナの流行で、連日仕事に関わるニュースが流れている。

国の緊急事態宣言により店を休業したり、開けていても客が来なかったりして売り上げが落ち込み、廃業を考える人がいる。働き先が休業するために、仕事ができず賃金がもらえない人がいる。内定をもらっていたのに、採用取り消しになる人がいる。テレワークの環境が整っていて、仕事をテレワークで続けている会社がある。ネットを利用した新たなサービスが始まり、新しい形態で営業を始める人がいる。

 感染症と仕事が密接に関わっていることを痛感する毎日である。

 

 コロナと同様の感染症を扱った小説、カミュの『ペスト』では、ペストで死亡する人が非常に多く、死体を埋める墓を掘る仕事が非常に忙しい様子が書かれている。しかも墓堀りをしている人がペストにかかって亡くなってしまう。

 人々は仕事を失っているので、どんな仕事でもいいからやりたいと望んでいる。そこで役所では求職している人をリストにしていて、墓堀り人が亡くなったら、リストから順次その仕事を回す。どんどんペストにかかってしまうけれど、それでも次々にその仕事を希望する人がいるので、成り手に事欠かないのだ。

 

 5月7日からの緊急事態宣言の延長により、東京都が大学生を、休業協力金の支給作業のアルバイトとして募集する意向を示した。業務が逼迫しているという理由ももちろんあるが、アルバイトが無くなって困っている大学生を救う対策にもなるからだろう。アルバイトが無くなった学生を雇うというような発想をもっと早く持ってほしかったと思う。

 現在仕事が無くなった人が沢山ある一方、仕事が多くなって大変な思いをしている人々もいる。医療関係、役所、スーパーマーケットなどもそうだろう。一時的にせよ、当座のお金を稼ぐために、そのような場で少しでも役に立てることがあるなら、仕事をしたいと思う人はいるのではないだろうか。医療関係にしても、例えば医療品の準備だとか、電話対応などといった一般の人にもできる仕事というものがあるのではないかと思う。忙しい場所は、忙しすぎて求人をしてる暇もないと思うが、ハローワークからそこに人を回すルートを作るなどができると良いのではないか、と思った。

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カミュ『ペスト』