Mirai Career Labo

未来志向のキャリアデザイン

管理人の仕事(2) ロールモデルって大切だ

 以前、私立学校で2年間、施設管理の仕事をしたことがあります。施設管理の担当者は男性3人、女性2人で、男性の1人がリーダーでした。

リーダーのSさんは他のメンバーに指示を出したり、意見を聞いたり、私立学校の先生方の要望を聞いたり、話し合ったりしながら、一方で次はここの掃除、次はこれを直す、と次々に自分で考えながら動いていました。その姿を最近よく思い出します。

 管理人になって最初の2日は、毎日のルーティンの掃除の流れや日誌の書き方、毎月行うことなどについて引継ぎがありましたが、あとは一人で全部考えて行動しなければなりません。その時に、どんな風に動けばよいのか、指針となるのがそのSさんの動きです。もちろん仕事は同じではありませんが、何かその動き方、仕事の進め方みたいなものが、私の頭の片隅に浮かび上がります。Sさんの存在を知っていたことで、管理人の仕事に少し自信が持てるし、落ち着いて取り組めているような気がします。

*********

 ところで、子供は働く人が好きですね。
働く人に興味を持ち、ジーっと見る、真似する、コスプレする、そしてその仕事をやってみたいと思う、etc。豊洲にあるキッザニアはそんな子供の心をわしづかみにするお仕事体験テーマパークですね。
 マンションのすぐ近くに保育園があるので、忙しそうに子供の手を引く親に連れられた子や、保育士さんに連れられてお散歩に出かける子供達がよく通ります。^_^

出入口付近で作業をしていると、親は全くこちらを見ませんが、子供は管理人に興味深々です。何をしてるのか覗いたり、手をふってみたり。

マンションの住人にも小さなお友達ができました。インド人のお宅の2歳くらいのお嬢ちゃんです。そのお宅の階に掃除をしに行くとドアを開け、顔をだしたり、追いかけてきたりします。

 昔から、子供は「親の背中を見て育つ」と言います。日々なんとなく親の姿をみているうちに、父とは、母とはどんな役割を果たしているのかを会得していくのですね。そして子供ができると、自分の親がしていたことを頭の片隅に置いて、真似してみたり、反発して他の方法を取ってみたり。また、親がやっている仕事を学んだり、受け継いだり、反発したり。

 直接教わった訳ではなくても、その仕事をしている人を見ることで、自分がその仕事をする時に何か指針となるものが得られる。これがロールモデルなんですね。

********

 日本でも女性の社会進出は進みましたが、まだまだ他国に比べると管理職になるような方は少ないです。実際に子供を持ちながら働くことは体力的に大変ですし、とても忙しく精神的にも負担が大きいもの。その上に仕事上で責任のある地位に就くとなるとさらに大きな負担が増えることになり、やはりそこで引いてしまう人も沢山あると思うんです。

 家庭での役割分担や子育てに配慮した制度も勿論重要ですが、もう一つ、女性が仕事を続け昇進を目指す錨をおろす為には、ロールモデルの存在が大きいかもしれません。働く女性の方々が積極的に情報を発信したり、共有したり、気軽に話し合ったりすることで、ロールモデルとなる人を見出すことができるれば、さらに女性の社会進出を進めることに役立つのではないでしょうか。

f:id:kuchibuefuka:20210104201824p:plain