Mirai Career Labo

未来志向のキャリアデザイン

文学部学生に就職につながる経験を!

前からモヤモヤと感じていたことを書きます。

 私が大学を卒業して就職したのは、昭和60年代ですが、その頃多くの企業が女性に求めることは、「事務作業」「男性の業務のサポートの庶務」「お茶くみ・掃除片付けなどの環境整備」「男性社員の将来の伴侶」でした。そして大学の文学部出身などの女性が、そのような職に割と合っていると考えられることが多かったと思います。

 自分も文学部出身、しかも日本文学でしたが、友達の間では元々は出版関係の会社に行くことを希望する人が割と多かったと思います。でも出版関係の会社はハードルが高く、「未経験者」を採用する企業がほとんどなく、縁故でなんとか入れてもらえた人だけが出版関係の会社に就職していました。

 因みにその頃は大企業の多くが、「信用がある」「その親とのつながりが今後の企業活動に重要」等の理由で女性を縁故で採用することが一般的でしたので、「縁故入社」が特別だった訳ではありません。

 私は求人広告を見ることが趣味の一つですが、今でも出版関係の会社の求人、特に正社員求人は「経験者優遇」が多いです。そのため、新卒者は経験者ではありえませんから、「出版業界に入りたい」という希望を持っていても、正社員では就職できず、アル

バイトなどで経験を積むか、他の職種を選ぶことになります。

 理系の学生はゼミで研究していたことを活かして就職することが多いと思います。先輩や先生のつながりなどもあるし、企業も理系の学生の採用は積極的です。一方文学部の学生は大学で研究していたことと企業での仕事との関連が見えずらいので、結局個人的な志向や偶然の結果で企業を選ぶということが多くなるのではないでしょうか。

 しかし大学が、文学部学生の就職支援をもっとできると思います。例えば出版関係の企業と連携し、学生のうちから編集・出版の経験をさせるとか。文書作りにつながるような資格、例えば行政書士のような仕事もあるよ、ということを紹介するとか。そして今はICTを活用して発信できる時代ですから、文学部学生の文章力を活かせるようにICTにも強くし、HP作成などの技術習得を必須とするなど。
 「文学部学生は本を読め、文学を研究せよ」などと言っているだけでなく、もっと社会で即戦力となる力をつけさせることも大学に求められて良いのではないかな、と思うのです。

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